6.事業を継続して行くために
一昨年から、東北経済産業局の事業で「地域団体商標」に関わってきました。認定後の経営戦略策定支援、地域団体商標申請を奨励するセミナーの運営の事業です。また、2011年度には全国各地の地域団体商標認定者、農商工連携主体者、JAPAN BRANDなどの取組み者10団体余のヒアリング調査を行いました。範囲は東北、北陸、中部、近畿です。興味を覚えたところに伺ってきました。今回はそこから見えた、さまざまな気づきについてお話します。
[認定後の継続事業は効果を上げていますか]
地域団体商標にしても、その他の事業でも取得するまでは、「取得」することが目的化します。あるいは実施期間の事業は計画化していますから進めていくことができますが、その後が問題です。多くの団体でイベント事業等に終始している姿が見られました。言わば「予算消費型」に陥りがちです。さらに「事務局」主導型で進めるとその傾向がますます強くなります。
私はこの方法は採らない方がいいと思っています。会員や参画している企業や団体にとって「得になる方法」を追求すべきです。どんな事業を組むにせよ、成果を具体的に数値化できる方法で目標化すべきです。さらに成果を得るためのしくみにすることが重要です。関係づくりを行っていくということです。
事例をひとつ紹介しましょう。
つい最近、菓子製造会社の新商品のプロダクトテストを、「試食会」という方法で「モニター募集」を実施しました。予定した人数の5倍以上の申込みを頂き大変でしたが、潜在お客様として名簿化し、役立てて頂いています。勿論最初の段階で、その後の案内の有無を確認した上で、ですが・・・。
[外部スタッフの存在も重要です]
プロデュースする、コーディネイトする・・・。この存在はステップアップしながら成果を上げて行く上でとても重要です。
よく、“外部の人間は責任がないから”と言う声も聞かれますが、この能力が誰にでも備わっているわけではなく、専門的な能力だと思っています。目標に対して参画者と同じ夢を見て、ともに汗をかいてくれるこの能力を持つ人の参画は、成功の秘訣であるとも言えます。
ちなみに、ヒアリング調査で訪問した先の“うまくいっているな”と思えたところは、この外部の人間が存在していました。その位、役割は大きいです。
写真転載:公益財団法人仙台市公園緑地協会 緑の情報ステーション(http://sendaishi-koenryokuti-kyokai.no-blog.jp/)より